LIVE + RALLY PARK.(ライブラリーパーク)

TALK LIVE/LIFE WITH BOOK, BOOK WITH LIFE

2018年7月15日、LIVE+RALLY PARK.(ライブラリーパーク)で開催された「North Japan Exhibition 2」では東北のキーパーソンによるTALK LIVE が行われました。

盛岡市から早坂大輔さん(BOOKNERD)をお迎えし、ライブラリーパークを企画・運営する本郷紘一さん(Sendai Development Commission株式会社代表取締役)が聞き手となり、「NERD」というワードを手がかりに、本屋のあるまちの日常についてトークが交わされました。

以下、その模様の一部をお届けします。

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本郷:みなさん、こんにちは。

早坂:こんにちは。

本郷:ライブラリーパークの施設内で、早坂さんのお店・BOOKNERD(ブックナード)の展示もやってますね。今回のこのNORTH JAPAN EXHIBITIONの展示のテーマにさせてもらいましたけど、この「NERD」っていうワード、いいですよね。

早坂:ぼく、オタク気質というかコレクター気質で「ものを集める」のがすごく好きで。レコードとか本を蒐集して来たので、自分に呼称をつけるとしたら、まぁ「オタク」だろうなと。それで、お店の名前に「NERD」という言葉を使いました。アメリカで本好きのことを「BOOK NERD」って呼ぶんですけど、それは揶揄じゃなくて、ある意味ちょっとクレイジーな感じというか。

本郷:小さい頃から本を集めてたんですか?

早坂:集め出したのは物心ついてからですけど、小さい頃から絵本や伝記が好きで、活字さえ与えてもらえば黙ってる子供でしたね。

本郷:本屋さんやる前は何をされてたんですか?

早坂:地元の秋田で求人情報誌の会社に就職して、転勤で色々渡り歩いて盛岡や仙台に住んだりして15年勤めたんですけど、その会社を辞めて自分で起業して広告代理店を作ったんですけど、1年で仕事が面白くなくなっちゃって、そしたらタイミングよく「会社を買い取るよ」って言ってくれた人がいたので会社を売っちゃって、一回しかない人生なんだから好きなことをしようってことで本屋を始めたんです。

本郷:お店をやってみてどうでした?

早坂:盛岡は本好きな方が多くて、蓋を開けてみたらけっこうお客様がいらっしゃるなあ、という感じです。常連さんも増えてきましたし。あと、うちの場合は仙台や東京からSNS経由でいらっしゃるお客様も多いです、特にインスタグラムが多いですね。

本郷:この前サンフランシスコ行ってましたよね?買い付けですか?

早坂:洋書の買い付けです。向こうの本屋さんって、トートバッグとかTシャツとかバッジとかオリジナルグッズがめちゃめちゃかっこいいんですよ。なのでそういうのを必須で買います。後は、とりあえず歩き回って、人づてに聞きながら雑貨屋さんを回りながら、自分の感度に合うものを買い付けて来るっていう感じです。

本郷:次またどこか行くんですか?

早坂:台湾に行きたいと思っているところです。台湾の方って日本の文化がお好きなので、ZINEカルチャーを扱うようなインディペンデントな面白い本屋がたくさんあるって聞いているので。

本郷: ZINEとかリトルプレスがカルチャーとして高まっていると?

早坂:そう思います。

今って本が売れない時代ですけど、元気なスモールショップもたくさんあると思うんですね。大型店は大型店のよさがあり、ネットならamazonでポチッとするわけですけど、そういう便利さがある一方で、スモールショップが元気なのはその役割がキュレーションにあるからだと思うんです。

本郷:そうですね。日本でも大手の書店に行くと新しいものはいっぱい見つかるけど、BOOKNERDさんのようなところは、古いとか新しいとか関係なく自分の嗅覚で「これだ!」っていうのを揃えていますよね。

早坂:書籍ってふつうISDNっていう番号が入ってまして、それによって流通に乗って、大手で取引されるわけですね。でも、ZINEにはまず番号は入ってないないですよね。ぼくは基本的に番号が入ってないものが好きでして、そういうものを取り扱いたいんです。

左より、早坂さん、本郷さん

本郷:先日BOOKNERDさん行きましたけど、盛岡の駅から少し離れた紺屋町というまちにあって、すごく雰囲気いいなと思って店内を見てました。もちろんたくさんの本がセレクトされてるけど、レコードもあるし。

素敵な雰囲気の店内でゆるい音楽が流れていて、ゆっくり一冊一冊と向き合っていくと「なんだこれは?」みたいなのが見つかるんですよね。

早坂:お店がオープンする前にニューヨークに本の買い付けに行ったんですけど、そこで見た本屋さんのイメージがわりとああいう感じだったんですね。新書もあるけど古本もあったり、お店の中でお香が焚かれてたり、セレクトショップみたいな内装だったり、そんなニューヨークの書店文化みたいなものの影響は受けてますね。

本郷:ポートランドのパウエルズっていう本屋さんに行ったことがあるんですが、その店は新書と古本が同時に並んでいて、どっちも選べる寛容な本屋さんでした。ポートランドのまちの人たちも、大手のチェーン店では本買わねぇぞみたいに思っていて、ローカルファーストっていう精神なんです。

なんだか盛岡って、すごく自然にそれができてる感じがするんですけど。

早坂:あえてローカルなお店を使うっていう文化はある気がしますね。

本郷:お店を始めて大変だったことってあります?

早坂:本屋経営はやっぱりシビアだってことです。本というコンテンツだけではやっぱり難しい。ですので、書店経営って、他の本屋さんもそうだと思うんですけど、いろんなコンテンツを組み合わせて成り立たせていかなきゃいけないんですね。

本郷:なるほど、やっぱり工夫が必要なんですね。早坂さんは地元でイベントもやってますよね。

早坂:単純に好きなことをやらせてもらっているんですけれど、あんまり個人的に「好き」で終わっちゃうと意味がないので、それをやることで街に波及させたいという思いはあります。すごく大げさにいうと、文化というか。

本郷:文化をつくりたい、と。

早坂:文化度みたいなものをちょっと上げられたらって思います。イベントをやることで、1人でも多くの方が本をとってくださるように伝わっていけばいいなあと。

本郷: BOOKNERDのこれからのビジョンなど最後に伺いたいんですが。

早坂:盛岡にあるうちの店が目的になるようになればなって思います。県外や東京から、わざわざうちのお店を目指してきてくださるようなお店になればいいなと思っています。

本郷:最後に聞きたいんですけど、なぜ地元ではなく盛岡を選んだんでしょう?

早坂:そうですね、やっぱり盛岡というまちのゆるやかなムードというか。ぼくは転勤で1年だけ住んだだけで、このゆるさにやられちゃったんですよね。何かやるとしたらここだなって決めていました。

本郷:ゆるさがいいですもんね。みなさんもぜひ一度、BOOKNERDさん行ってみてください。