LIVE + RALLY PARK.(ライブラリーパーク)

TALK LIVE/地方こそが持つ魅力の可能性

2018年3月25日、LIVE + RALLY PARK. (ライブラリーパーク)で開催された「North Japan Exhibition 東北 暮らしの展示会」では東北のキーパーソンによるTALK LIVE(全7回)が行われました。

山形県南部の置賜地方から仁科洋一小国町長、白岩孝夫南陽市長のおふたりをお迎えし、LIVE + RALLY PARK. の企画運営を担うSendai Development Commission株式会社の勝又源紀取締役が聞き手となった第7弾トークライブのテーマは「地方こそが持つ魅力の可能性」。それぞれのまちのふつうの日常にある魅力について語っていただきました。

以下、その模様の一部をお伝えします。

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白岩南陽市長:みなさま、こんにちは。南陽市長の白岩と申します。

南陽市は日本で唯一、市役所にラーメン課があるまちです。ラーメン店って東京だと人口10万人当たり15店舗くらいあるんですが、人口3万2千人の南陽市を10万人のまちとして換算するとラーメン店が約50~60店舗ある計算になるんですね。とにかくラーメンばかり食べて生きている人が集まっているまち、それが南陽市、と覚えていただければと思います。

仁科小国町長:みなさん、こんにちは。小国町長の仁科です。小国というまちは山と自然が素晴らしいまちです。仙台と同じくらいの大きさの面積がありますが、人口は仙台の1/100以下。7千8百人が暮らしています。しかもまちの95%を占めているのが森林なんです。今私たちはこのまちでの暮らしをどうやってより豊かなものにできるかを模索しつつ、「白い森」というテーマでまちづくりを進めているところです。全国有数の豪雪地帯であるこのまちにとって、雪は多様な生命を育む源泉でもあります。その雪と、森に広がるブナの白い木肌のイメージからまち全体を「白い森」と表現し、自然と人間の共生のあり方を世界に向けて発信していこうといるところです。

勝又:ありがとうございます。このライブラリーパークは東北の魅力発信拠点として機能することをめざしています。おふたりには地域に潜む日常の魅力をご紹介いただきたいのですがいかがでしょう。

白岩:南陽市には日本有数のハンググライダー、パラグライダーのランディング・ポイントがあります。隣の上山市との境界は山になっていて、米沢盆地に向けて飛ぶのには最適な場所になっているんですね。初心者にも飛びやすく、私も実際に飛びました。10分ほどの空中散歩というのは、言葉にできないくらい、じつに素晴らしい体験ですよ。

さらに私たちは「空のバリアフリー宣言」というものを行なっております。南陽スカイパークは、車椅子使用者や高齢者でもタンデムフライト体験できるフライチェアを備えたバリアフリースカイパークとして、高い技術を持ったインストラクターが運営に携わり、自由に空を飛びたいという夢を障がいがある人にも高齢の方にも提供できる施設となっているんです。

勝又:素晴らしいですね。小国の方はいかがでしょう。

仁科:先ほども申しました通り、私たちのまち小国は、自然が素晴らしいまちです。今の季節であれば、わらびや山菜が採れますし、新鮮な山菜の天ぷらは最高!です。そうした豊かさがすぐ身近にあるわけです。そしてまた、人も魅力的です。このまちにはマタギの文化と伝統芸能が息づいておりまして、この頃はそれがきっかけで小国を訪れる高校生や大学生が増えています。みなさん、マタギのおじさんと話するとすごく元気になって、別れるときには泣いて帰っていきます。そして、多い人は6回も7回も繰り返しまちに来てくれます。それだけ、土地に生きる人たちの人がらがいいということではないでしょうか。大切な人との大切な出会いがここで生まれ、そうした繋がりが人生をより豊かなものにしてくれると思います。

勝又:人と繋がることで、その場所にまた行きたくなる。それこそローカルの旅の素晴らしさですよね。

南陽市からはちょうど今日、このライブラリーパークで、Coffee Day Outというチームの方がおいでくださっていて、あちらの広場でアートイベントをやってちびっこたちを楽しませてくれていますね。

白岩:去年、Coffee Day Outさんが南陽市の熊野大社でコーヒーイベントをやってくださいました。南陽市政施行50周年という記念の年でしたので、市民の方が企画する事業を市で応援させてもらいました。そのご縁からこうして今回お声をかけていただいて、仙台にCoffee Day Outさんに来ていただいたり、宮城興業さんという靴メーカーさんも来ていただいたり、南陽市も呼んでいただいたりという機会をいただいたのは本当にありがたいと思っています。

勝又:小国町さんの方はどうでしょうか? 人との繋がりと情報発信については。

仁科:今はマタギブームなんですね。

勝又:マタギブーム?

仁科:そうです。まちには女性のマタギがふたりいます。そのうちのおひとりは熊本出身で、山形の東北芸術工科大学を卒業された方です。元々は日本画を勉強するために熊本から山形にいらっしゃったわけですね。そうして自然の動物をきちんと描きたくて小国においでになって、マタギの人たちにお願いして山に入ったんですね。そうしたら、マタギの人たちの生き様であるとか、熊を撃った後の処理や神様に対するお祈りといったようなマタギ文化に感激してしまって、惹きこまれて、そして、今は日本画ではなくてマタギをやっているんです。

勝又:すごい。

仁科:小国のマタギはそういった文化をきちんと残しているので、マタギサミットでも。。。

勝又:マタギサミット?

仁科:ええ、マタギサミットというのがありまして、全国から多くの人が集まってくるイベントなんですけど、小国でもこれまで2回ほど開催されました。東北のマタギだけでなく、アメリカの猟が紹介されたり、非常にダイナミックなものから繊細なものまで様々な猟について議論されたり、とてもユニークなサミットです。熊は皮から身から爪の先まで様々に活用され捨てるものがないのですが、こうした文化そのものが世界に誇れるまちの魅力と言えるでしょう。

例えば、そうした魅力を、女性のマタギの方がいろんなところで講演してくださったり、外に情報発信してくださったりしています。また別のマタギの方のなかには、アメリカまで講演に行ってる方もいます。

勝又:アメリカに講演をしに?

仁科:ええ、マタギについて。そういった人たちが色んな所で発信してくれるということはまちの活性化にもつながるのかなと思っています。

勝又:マタギの方が海外で講演しに行っているということは、もうインバウンド事業があり得るわけですね。

仁科:まさしくそうですね。インバウンドにつなげて行きたいところです。

左より、白岩孝夫南陽市長、仁科洋一小国町長、そして勝又源紀氏。

勝又:そういえば、すみません、ラーメンの話でさっき終わっちゃいましたけれど。ワインのお話もぜひ南陽市さんからいただければ。

白岩:南陽市には今ワイナリーが5つあって、東北では一番多いです。5つ目のワイナリーは昨年、実に80年ぶりに誕生となりました。創業された方は、東京でも有名なイタリアンレストランを経営されていた方で、東日本大震災の支援のために仙台に来た帰りにこの南陽に立ち寄ったところ、この地のぶどうとワインが美味しいことを知ったそうです。しかし、まちでは年々ぶどう畑が減り耕作放棄地となっていく状況となっており、その方は「もったいない」と感じたそうです。だったら、自分で作って、自分のイタリアレストランで出したいということで、東京から移住されてワイン作りをスタートされました。酸化防止剤を使わず、できるだけオーガニックにこだわったナチュラルワインなんです。

そのほか、南陽市のワイナリーは家庭的な小さいワイナリーが多いのですが、それぞれに特色がありますので、まちを巡りながらワイン巡りをしていただくのもとてもいいと思います。

勝又:ツーリズムにも取り入れていけそうですね。

白岩:そうなんです、隣の自治体とも連携しながらワインツーリズムを仕掛けようとしているところです。近隣のまちも巻き込むことで魅力をできるだけ大きなものにして、来ていただく人により喜んでいただけたらと考えています。

仁科:地元にいいものがたくさんあるって分かっていても、なかなかそれをPRするのが上手じゃないというもどかしさを感じることはありますね。奥ゆかしい性格の町民が多いので、もっとがんがん打って出ようとしているところです。

小国の町も、これから先、5月4日開催の熊まつりが終わり連休が明けると、雪も消えて空が真っ青なスカイブルーになります。その空の下には飯豊山の雪が白く残っていて、さらにその下には新緑がわーっと出ます。そして、その下に花が咲くんですよ。その美しさに東京から来た人はびっくりします。

みなさん、ぜひその景色を見に小国に来てください。仙台から来る途中の道路もドライブとしてはいいものです。安全運転で、3時間ほどの時間をかけるつもりでおいでいただいて、大自然に触れていただきたいと思います。

白岩:小国町も南陽市も温泉がありますしね。ぜひゆっくりといいお湯に浸かっていっていただきたいですね。

勝又:ああ、いいですね、行きたいですね、温泉、ぜひ行きたい。
とまあちょうどそんな気持ちになったところで、トーク終了の時間となりました。
南陽市、小国町へ、ぜひみなさん足をお運びくださいね。本日はありがとうございました。

REPORT/那須ミノル(real local Yamagata )